国際物流・通関手続きに関する専門的知識の習得は、世界的なビジネスの急速な発展に伴いそこで働く者にとって必須条件となってきています。
つまり、通関士の仕事は我が国の商流・物流を支える重要な要素であり、通関士資格の取得の必要性とその将来性がかなり大きいと言えるでしょう。
例えば外国為替を取り扱う銀行や、輸出入業務との関係が不可欠な商社やメーカー、物流の担い手である運送業者や倉庫業者などでも、通関士の資格と知識の活用の場は大きく広がっています。
また通関業者に勤務し、税関長から通関士としての確認を受けることで初めて「通関士」と名乗り、業務に従事することができますが、言い換えれば通関士として独立開業はできないということです。しかしながら、近年インターネットの普及と個人輸出入の意識の高まりから通関士資格の活用の幅はさらに広がってきています。
一方、通関業界でも情報化が日々進んでいます。
現在は海上貨物と航空貨物をそれぞれに設けられたNACCSといわれる専用端末を通じて、税関と書類をやりとりすることがほとんどです。
特に航空貨物業界は通関手続きその物の情報化が急激に進んでいます。大半が急ぎの荷物が対象である航空貨物の通関にかかる時間は情報化の推進により年々短縮されています。
また数年前まで成田空港に到着した輸入貨物の通関は、ほとんど東京エアカーゴ・シティ・ターミナル(TACT)施設内で行われていましたが、徐々に成田空港内へ移っており空港内で輸入通関がおこなわれることが多くなってきました。
それに伴い、通関士の勤務地もTACT内から空港へとシフトしています。つまり今後も通関業界の情報化に伴い、通関士の勤務スタイルなども変化していくと予想されます。